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もうバカにできない?プロがミラーレスを使う場合のメリット・デメリットを考えてみました

突然ですが質問です!

「プロカメラマンが使うカメラ」と聞いた時、皆さんはどんなカメラを思い浮かべますか?


  1. 重厚感のある撮影台に据えられた貫禄のある中判フィルムカメラ
  2. 撮影現場で誰もが場所を譲るような、大きなボディのフラグシップ一眼レフ機


デジタル時代に変わって、中判カメラは徐々に影を潜めつつありますが、やっぱりプロが使うカメラと言えばまだまだ一眼レフ機のイメージがありますよね。

一方で、アマチュアのお客様を中心に、レンズ交換式のミラーレス機の存在感がどんどん増しつつあります。

CIPAによる2017年1~8月のレンズ交換式カメラ累計出荷台数は

一眼レフが約44万台、ミラーレスが約35万台と、ミラーレスが一眼レフに迫りつつある現状が数字で体感できます。

 参考:http://www.cipa.jp/stats/documents/j/d-201708.pdf


皆さんも回りのご友人やお客様から「カメラを始めたいけど、ミラーレスでもいいの?」なんて聞かれることが増えているのではないでしょうか。

また、今年はフジフイルム様が中判イメージセンサーを搭載したGFX、ソニー様がスポーツ撮影市場を狙ったα9を発表するなど、プロフォトグラファーを意識したハイスペックのミラーレスが続々と登場しています。

それに牽引されるように、ミラーレス機を検討されるカメラマン様が徐々に増えつつあるような感じもしています。


そこで、今回は進化が目覚ましいミラーレスについて改めて整理してみました!

日頃、筆者がお得意先様から伺っているミラーレス機に対する期待と不満についても織り交ぜてまとめてみたので、ミラーレスに先入観を持っている方も、是非最後までお目通しいただければと思います。


そもそも一眼レフとミラーレスの違いって?

画像引用:http://cweb.canon.jp/eos/special/beginner/column6/


では、まず初めにデジタル一眼レフとミラーレスカメラの違いについて、改めて整理してみましょう。

(”プロのカメラマンのためのサイト”と謳っているフォトルプロでこんな話をするのは、まさに”釈迦に説法”ではありますが・・・)


上記の画像の通り、一眼レフとミラーレスの違いは、ミラーとペンタプリズムからなる光学式ファインダーの有無です。

「レンズを通ってイメージセンサー(=フィルム)に到達する光を、いかに目で確認するか?」

この課題に対する解決方法のひとつが、

「ミラーとペンタプリズムによる光学的な屈折を利用して、ファインダーに光を届けることで被写体を確認する」

であったわけですね。

後述のミラーレスと違ってファインダーの像に遅延が無いため、動体に強くありのままの光を見ることができます。


一方のミラーレスは、レンズを通った光を直接イメージセンサーで読み取ることで、液晶画面や電子式ビューファインダーに写して被写体を確認する」カメラです。

そのため、ミラーやペンタプリズムといった装置が不要となるため、一眼レフよりも小型・軽量化したボディが実現できます。もっとも、液晶に写された画像は電子的に処理されたもののため、どうしてもタイムラグが発生します。



ちなみに、この一眼レフとミラーレスのファインダーの違いを簡単に体感する方法があります。

それは自分の顔をスマホのインカメラと手鏡を使って見比べてみること!

女性の方はお化粧直しのときなどに体感していると思います。スマホのインカメラって進化していてもまだまだ遅いですし、液晶の解像度もあって肌の細かいところが見えなかったりしますよね。

筆者もお客様から知人まで、ミラーレスと一眼レフのファインダーの感じ方の違いをこの例えを使って解説させていただいてるのですが、概ねみなさんこれで納得していただけるように思います。

ミラーレスと一眼レフの違い、お店のお客様に聞かれた際は是非この説明を試してみてはいかがでしょうか?


じゃあミラーレスはどんな点で一眼レフに優れているのか?

では、そんな機構の違いによって、ミラーレスはどのような点が一眼レフより進化しているのでしょうか?

もちろんメーカーや機種によっても違うのですが、ざっくりと共通した点を順に見ていきましょう。


なんといっても軽い

やっぱりミラーレスは軽い!なんだかんだで皆さんが感じる最大のメリットではないでしょうか?

プロ向けの一眼レフ各種はどれもボディだけ800g~900gほど、D5や1DX MarkIIといったフラグシップ機になると1.5kgほどになります。

さらに、ブライダルや運動会といったシチュエーションではサブ機を合わせて2台体制になったりして、大きな負担になります。

ミラーレスの場合は、最も大型であるフジフイルム様の中判ミラーレスGFXこそ825gではありますが、その他各社フラグシップミラーレス機は500gから700gまでに収まってしまいます。


シャッター音が小さい

従来の一眼レフではどうしてもミラーの駆動音が発生しますが、ミラーレスではメカニカルシャッターの動作音がするのみ。それもソニー様のα9やオリンパス様のE-M1 MarkIIなどでは電子シャッターを利用した完全無音撮影も可能です。

舞台撮影や一部のスポーツ撮影など、撮影音にデリケートな現場では、まさに一眼レフでは追従できないポイントになります。

もっとも、人物撮影ではシャッター音がポーズ変更の合図にもなるため、一長一短でもあります。


顔認識・露出補正などのリアルタイム処理の充実

ミラーレスは常にイメージセンサーで被写体をとらえているため、顔認識撮影や露出補正の結果を常に液晶や電子ファインダーに反映させることができます。

液晶や電子ファインダーに表示できる情報も多いため、画像処理によるタイムラグさえ無視すれば、一眼レフよりも自由度が高いファインダーを使用できると言えるかもしれません。

また、液晶撮影に限って言うと、ミラーレスはそもそも液晶で撮影することを前提とした設計になっているので、一眼レフのライブビュー機能よりもキビキビと反応する機種が多いように思います。


他にも、ボディ内の手振れ補正やフィルムシミュレーター、一眼レフを遥かに上回る連写、4K動画など、メーカーによってかなり特徴的な機能が搭載されているのもミラーレスの特徴でありメリットです。

そして、年々増えている販売台数に合わせてメーカー各社がミラーレス開発に更に力を注いでます。

そういった今までの一眼レフではできなかった機能、これから発展する可能性をまだまだ秘めてる点がミラーレスの優れている点と言えるのではないでしょうか。


一方で、まだまだ一眼レフに劣っているところも

目覚ましく進化しているとはいえ、ミラーレスが一眼レフに及ばない点はたくさんあります。

特にプロのみなさんにとってカメラはお仕事の道具。慎重に判断していくと、まだまだ自信を持ってオススメできないポイントも多くあります。


見た目が小さすぎる

意外なのですが、プロカメラマンが一番気にされるポイントが、ミラーレスの小ささ。そう、見た目が小さすぎるのです。(※筆者の主観です)

写真館やスタジオはもちろん、ブライダル撮影や学校撮影も含めて、プロカメラマンは常に「お客様の目」にさらされてるもの。

見た目が小さいカメラは、お客様からまだまだカメラマンとして値踏みされてしまうようです。

確かに、最近はアマチュアの方でも”良いカメラ”を使っていることが多いですよね。

学校撮影やブライダルの現場では、大型のカメラを使っていればパッと見でカメラマンだと気付いてもらえるので、撮りやすくなる。という声も聞きます。

実際にはミラーレスで撮影しているものの、ダミーでフルサイズの一眼レフを首からぶら下げている。そんな方もいらっしゃるようです。


小さいからといって一眼レフに劣っている、というのは語弊があるものの、それでもプロカメラマンが導入する障害にはなっているみたいですね。


電池の持ち

もう一点、現場で使用するのに致命的なデメリットとして、電池の持ちの悪さがあります。

ミラーレスの場合は常にイメージセンサーが動いてなければならず、背面ディスプレイか電子ファインダーのいずれかの液晶が常に点灯しているためです。

もちろん、撮影スタイルによって電池の持ちは大きく変わってきますし、上述の「小さく見える」デメリットをクリアするためにバッテリーグリップを導入される方もいます。

とはいえ、一眼レフから直ちに乗り換えるには、まだまだ不安な点ですよね。


電子ファインダーにやっぱり慣れない!

各社、電子ビューファインダーをどんどん改善していますが、それでも使い慣れた一眼レフとは使い勝手が違うもの。

遅延の問題もさることながら、ファインダーも実質は液晶なので色の違いも気になってきますよね。


ぶっちゃけ、プロはミラーレスを使ってるの?

現状では、まだシェア自体は高くないと言えます。

弊社のお得意先様の写真館・スタジオ撮影のフォトグラファーさんですと、用途によって使い分けるサブカメラとして様子を見ながら導入されている方が多いのではないでしょうか。

特に、フジフイルム様のXシリーズの評判が大変高いようです。

とにかく色が素晴らしいとのことで、お仕事での使用はもちろん、趣味の時間で使用されている方もいますね。

(X-T2シリーズに関しては、三愛フォトスタジオ様のインタビューもご参考ください:http://728oroshi.jp/article/118

フリーランスの方や舞台撮影・ブライダル撮影の分野ではソニーのαシリーズが徐々に浸透しているとも聞きます。

いずれにしても、まだまだ様子見の段階と言えるでしょう。


今後はどうなっていく?

冒頭の統計にもあるように、一般の市場ではどんどんミラーレスが浸透しています。
GFXやα9のように、一眼レフのシェアを奪うような特徴的なスペックを持った機種も続々と登場しています。

この記事に挙げたデメリットや、レンズ資産の問題など、実際にお仕事で使うためのハードルは未だに高いものの、今後、それを覆すような今後機種が登場しても不思議ではありませんよね。

先ほど様子見の段階と書きましたが、その現状を後押しするような情報もまだ少ないようにも感じます。

そんなフォトグラファーの方のために、今後メーカーさんインタビューや、導入事例なんかもご紹介できたらと思っております。

皆様も気になっている機種がございましたら、お気軽にフォトルプロのお問い合わせ・Facebookコメントなどに書き込んでいだけたらと思います。


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