そのチラシ、本当に読まれてますか?集客につながるキャッチコピーの書き方とは?
お店のチラシや店頭販促物を作るときに頭を抱えることのひとつに、「キャッチコピー」や「広告コピー」があると思います。
チラシに書かれた店名に何かひとつもう後押しできるようなワンフレーズや、店頭を通りすぎるお客さんの目に留まる「言葉」が欲しい。そう思って知恵を絞って書いてみたものの、なかなか他のお店と差別できない。そのようにお悩みになることも多いのではないでしょうか?
チラシだけではなく、最近はホームページやSNSなどで、お店の情報をより幅広いお客様に伝えることもできるようになってきました。そんな環境の中では、お客さんの心を掴むための「言葉」の重要性は増しているはず。だからこそ、お店のキャッチコピーをしっかりと考えて作る必要がありますよね
といっても、改めて考えてみると、キャッチコピーを作る時って何を考えたらいいのでしょうか?
いや、そもそもキャッチコピーなんて言葉のセンスによるもの、なんて気がしてきませんか?
実はキャッチコピー作りにもちゃんとしたノウハウ・理論があります。
今回は、広告コピーに関する名著『ここらで広告コピーの本当の話をします。』を参考にしながら、お店の集客につながるキャッチコピーの書き方についてご紹介したいと思います。
そもそもキャッチコピーとは
写真館・スタジオと販促活動は切っても切れない関係。でも、広告コピーについて考える機会ってあまりないですよね。そもそもキャッチコピー・広告コピーとはなんなのでしょうか?なんとなく耳障りのいいフレーズや、オシャレな言葉だと思っていませんか?
今回の参考読本『ここらで広告コピーの本当の話をします。』によると、
”(広告)コピーとは「価値が最大化されるように、商品を定義付け”する言葉」”のことを言います。
・・・ちょっとややこしい話が始まったなあ、と思いましたか?そう、今回はこういう「定義」のような話が多くなります。
でも、このように「広告コピーとは何か」と定義されることで、私たちの中に初めて(広告)コピーに関するイメージが湧いてきませんか?
そして、こういう「言葉」を使って、
「モノとヒトとの新しい関係を創る・気付かせてあげること」
が広告コピーの役割になります。
例えば、各メーカーのカメラの広告を見ると、それぞれ印象的なキャッチコピーがついています。
メーカーのフラグシップ級の力強さを連想させますよね(製品広告である分、どちらも少し抽象的ではありますが)
このように、みなさんのお店に広告に書いてある宣伝コピーを読んだお客さんが「せやせや、そういえばそろそろ娘の七五三で写真が撮りたかったんや」と気付いてくれる。
そんな言葉であってこそキャッチコピーになりえるわけですね。
広告コピーは感性ではない
さて、上にあげたような定義を見ていると、どうやら広告コピーってノリや勢い・センスで書かれてるわけではなさそうです。私もはじめは「コピーライターなんてアーティストっぽいセンスのある人がなんとなく書いてるだけなんだろう」なんて思っていました。
ではコピーを書くことを専門に書いているコピーライターは、何を基準にコピーを書いているんでしょう?
ポイントは先ほどの「モノとヒトの関係を創る」という言葉にあります。
すなわち、商品・サービス(モノ)の魅力を把握した上で、それを誰(ヒト)に伝えたいか。こういった視点がコピーの軸になります。
モノの魅力、競合商品ではなく他でもないその商品・サービスを選んで買ってくれる優位性のことを「USP(Unique Selling Proposition、競合優位性)」といいます。そして、そのUSPを理解・共感して買ってくれるヒトがターゲットになります。
「うちのお店が他のお店より優れているところはどこだろう?」
「それを理解してくれるのはどういう客層だろう?」
これを踏まえて、宣伝文句を考える。シンプルに書くと当たり前に聞こえますが、ついつい見逃してしまいそうなことです。
あらためて自分のお店の魅力とブランドを考える
広告コピーを書くには、まず自分のお店の魅力を知らなくてはいけません。
では、皆さんのお店の魅力ってなんでしょうか?
例えば、「うちの写真館は子供スタジオのチェーンと違って若い女性スタッフがいるわけでもないし、料金も高い。だけど、夫婦でずっと子供の撮影をやってきたから、お子さんの扱いには慣れている。繁忙期の慌ただしい撮影の中でもちゃんとお子さんの笑顔を引き出せる。地元でのリピートのお客さんも多い」
こういう風に改めて、お店の競合を意識しつつ差別化できる点をさがしていくと、それがUSPとなります。このUSPはお店を一言で表すキャッチコピーの軸であると同時に、お客さんがお店に抱くブランドイメージの源泉でもあります。ブランドというとなんだか身構えてしまうかもしれませんが、要するに「あそこのお店で撮りたい、他のお店とはちゃうねん」とお客さんが理解してくれるイメージのことです。
お客さんにとってお店がどんなブランドでありたいか?そういう視点でUSPを考えても良さそうです。
誰に向けた「言葉」なのか?顧客の目線になること
このようにして考えてきた、自社の「強み」を、どんなお客様に届けたいか?これを明確かして、USPを届けるターゲットを定めることになります。早い話が、お客さんの目線になって考えること、ですよね。先ほどの例に続いて考えてみると、
「大手の子どもスタジオで撮ったことはあるけど、バイトの女の子にマニュアル対応されてしまい、子どもが落ち着かなかった。次に撮るときは、地元の写真館で撮りたいけど、どこで撮ればいいか分からず迷っている」
こんなお客さんの目線を想定します。
では、チラシにどんな一言が書いてあれば、お客さんが共感してうちのお店を選んでもらえるのか?これを、USPに基づいて考えていけば、お店とお客さんを繋いで価値を最大化できる言葉になりえるわけです。
まとめ:お客様とお店を「つなぐ言葉」を探そう
以上をまとめると、
・コピーはモノとヒトとをつなぐ言葉
・センスは関係ない!
・お店の強みとお客さんを「つなげる言葉」を探す
のがキャッチコピーの書き方の基礎になります。
実はキャッチコピーというのは厳密にいうと「お客様の心をつかむ言葉」のことを指します。そして、上述の「お店とお客さんを再定義する言葉」をタグラインと言って・・・
と、より深く入っていくと更に難しい世界になるようです。筆者も専門外なので、今回は割愛いたします。
今回の記事は小霜 和也さんの『ここらで広告コピーの本当の話をします』を参考にさせていただきました。小霜さんはプレイステーションや一番搾りの広告を手掛けたコピーライターです。
広告コピーに関する「マジメ」な話を、ユーモラスで説得力のある文体で語りかけてくれるなかなか面白い本です。街中で見る色んな広告がなんとなく違って見えてきますよ。
この本では、より実践的な広告コピーの役割やマーケティング的意義が説明されているのですが、今回の記事ではその導入部分のお話をまとめてみました。
前回「アンケートの取り方(http://728oroshi.jp/article/97)について書かせていただきましたが、アンケートで把握したお店の強みを活かせる言葉を探して、チラシにコピーを書いてお客さんに訴えかけていく。そうやってお店作りができれば理想的ですよね。
そうそう、「余所のお店との違いが気になる!」、そんなときは弊社の営業にお尋ねいただいても良いかもしれません。日頃のお取引の中で様々なお店とお付き合いさせていただいていますので、何かヒントになるかもしれません。