富士フイルムのドライミニラボ「DE100」が発売!メリットとデメリットをまとめてみた
富士フイルムのドライミニラボ機「DE100」が2018年4月16日に発売されました!
フロンティアSと似た外観ながら、4色インクの採用や耐久度の向上など、細かい進化が加えられています。
また、従来の銀塩ミニラボ機・ドライミニラボ機と比較すると、DE100は導入費用が安価に設定されています。
「銀塩機の買替はコスト的に難しい」
「スタジオの写真を一部内製したいけど、どんなプリンターを使えばいいかわからない」
そんな方にとって、DE100はビジネスの可能性を大きく広げられるミニラボ機ではないでしょうか?
そこで今回は、富士フイルムの新型ドライミニラボ機、DE100のオススメしたいポイントと、デメリット、さらにどんなお店で活用できるのかをまとめてみました!
そもそもDE100って?
DE100は富士フイルムから2018年4月16日に発売された小型インクジェットプリンターです。
今回発売する「DE100」は、新開発した当社独自の4色インク「ViViDiA D-photo」(*1)や1200×1200dpi(*2)の高解像度を実現するインクジェットヘッド、
専用インクジェットペーパー、画像処理技術「Image Intelligence™」の組み合わせにより、
4色インクながら従来のコンパクトタイプのインクジェットプリンターを凌駕する高画質を実現しました。
さらに、本製品は小型・軽量のためスペースの限られた店頭にも設置することが可能です。
(参考:フジフイルムDE100プレスリリース http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_1285.html)
要するに「ちっちゃくて、画質がめっちゃ良くなったインクジェットプリンター」ということですね。
ここまでは従来の機種、フロンティアSと同等と言えます(見た目も似てますし)。
DE100はそれに加えて、PCとの接続方法の多様化を始めとした様々な進化が加えられています。
お待たせいたしました。それでは具体的なメリットをみていきましょう
DE100のメリット
DE100の変更点については、以前富士フイルムフォトイメージングフェアにて
インタビューもさせていただいています。
参考:フロンティアシリーズの末弟、新発売のDE100について聞いてきました!
今回は上記インタビューに加えて、正式に発表されたスペックを元に、メリットをまとめてみました。
業務用機器として安価なイニシャルコスト
なんといっても最大のメリットはここではないでしょうか?
DE100のプリンター本体の価格は50万円前後!(2018年4月現在。詳細は御見積必要です)
銀塩のフロンティアだと最低でも500万ほど、インクジェットのDLシリーズでも400万円前後の投資が必要であったことを考えると、導入コストがぐっと下がるのは非常に魅力的です。
ランニングコストも思ったより安い?
電源も100Vの家庭用電源で動作するので、工事も不要です。
参考の1枚あたりコストは12円ほど。
お店の環境もあるため一概に言えませんが、やはり銀塩機よりも高くなっています。
それでも、廃液処理費用や電気代、オペレーションの簡便さを考慮すると、ランニングコスト面でも非常にコストパフォーマンスが良いのではないでしょうか。
フロンティアを踏襲した高画質と鮮やかな発色
肝心のプリント品質面でもDE100は大きく変化しました。
まずインクがフロンティア-Sの6色インクから4色インクに変更されています。
通常、色数が減った=印刷の表現の幅が狭まるようなイメージを持ってしまいます。
しかし、DE100では新開発の高粘度4色インクシステム「ViViDiA D-Photo」というインクと、1200×1200dpiの高解像度ヘッドが導入されており、従来と同等かそれ以上の品質でのプリントを実現しています。
……新インクシステムなどの売り文句はともかく、より細かいインクを正確に打滴できるようになったことで、肌の粒状感の軽減やシャープネスの向上がされています。
筆者も2月の富士フイルムフォトイメージングフェアで、実際にプリントしたサンプルを拝見しましたが、確かにプリント品質はかなり高いと言えます。
銀塩調のプロファイルでインクジェットぽさを軽減
また、富士フイルムのインクジェット機には「フロンティア調」と呼ばれる「銀塩”風”」のプロファイルがあるのも嬉しい点です。
インクジェットの発色というと、原色が鮮やか過ぎたり解像度が高すぎる印象を受けることがあります。
長年写真ビジネスに関わっている方ですと、発色が嫌だという方も多いのではないでしょうか。
ところが、このフロンティア調のプロファイルを使うと、柔らかで落ち着いた発色のプリントが可能になります。
厳密には手触りなどが異なるため、銀塩と「全く一緒」とは言えませんが、それでも遠目で見た限りでは違いはほぼ分かりません。少なくとも筆者には分かりませんでした。
A4までのプリントサイズ、長尺も出力可能
DE100の対応ペーパー幅は210mm幅まで、通常のプリントですとA4まで対応が可能です。
「四切に対応できない」と思ってしまうかもしれませんが、現行のコンパクトサイズ銀塩機LP5000R(コンパクトといっても十分大きいのですが)と同様のサイズまで対応できる、とも言えます。
しかし、幅は210mmまでですが、送りのほうは最長で1000mmまで選択可能です。
210mm×1000mmのバナーを作成することができるので、店頭POPの出力にも活用できるのではないでしょうか。
送り長から分かるように、ペーパーはロール紙です。
面種はグロッシーとラスターの2種類が用意されています。
設置・システム構成が多様
今回、もっともユニークな点がこちら。
プリント受付端末のWonder Print Stationと、プリンターのDE100を直接接続することが可能となりました。
そう、DIコントローラーが必須では無くなったのです。
初めて、ミニラボ機をご検討される方の為に補足します。
従来、富士フイルムのミニラボ機では「DIコントローラー」と呼ばれる画像検定・プリント管理用コンピューターが必須でした。
プリント前に色味の最終調整や、プリントオーダーの管理ができる一方で、このコンピューター自体が高額ということもあり、導入のハードルにもなっていました。
ところが、前述の通りDE100ではこのDIコントローラーを使わずに、受付端末のWPSと直結が実装されました。
これによって、店頭でのプリントのワークフローはもちろん、ミニラボシステムの導入負担の軽減がされました。
もちろん、DIコントローラーを使った従来通りのワークフローでも動作します。
そのため、「現在使っている古い銀塩機のバックアップとしてDE100を活用する」といった利用法も可能となりました(その場合、DIコントローラーのバージョンが要確認となります)。
ちなみに、プリンタードライバーを介して、パソコンからプリントを直接出力することも可能です。
写真館での作品プリント用途なら、受付端末も不要のため、本当に最低限の投資でフロンティアのプリント品質が導入できると言えるでしょう。
フロンティア-Sの二倍に高耐久化
DE100はフロンティア-Sの2倍の20万枚(L判換算)まで対応できるようになりました。
(製品寿命:20万枚または3年のどちらか早い方となります)
各社の小型インクジェットミニラボ機の最大のデメリットは、プリンターのヘッド寿命でした。
大型機ならメンテナンスが可能(それでも高額です)なのですが、小型機の場合はヘッド寿命=そのまま買替となります。
DE100の場合もその点は同様です。
しかし、それでも20万枚(月に5000枚で3年くらいです)
「プリント枚数も減ったし、銀塩機は買い替えられないけど、まだ数年はお店を続けたい」
といったニーズにもお応えできるのではないでしょうか。
DE100のデメリット
さて、ここまでDE100のメリットを見てきました。
しかし、小型機ということもあり、当然ながらデメリットも存在します。
プリントの裏印字には非対応
写真店・学校写真をやってらっしゃる方にとっては、大きなマイナスポイントかもしれません。
複数のお客様のオーダーを処理する場合、裏印字の有無ではプリントの仕分けの手間が大きく変わってきます。
また、個人情報を扱う学校写真だとプリントの間違いは絶対NG。裏印字が無いと絶対に使えないと仰るカメラマンさんも多くいらっしゃいます。
耐久度
フロンティア-Sと比較して大きく向上しましたが、それでも最大で3年までの仕様となります。
特に、銀塩機で10年以上修理しながらプリントされた経験を持ってらっしゃる方からすると、頼りなく感じるところもあるはずです。
また、インクジェットは色の品質が安定している一方で、インクヘッドの管理・ヘッドの目詰まりや筋ムラといったトラブルが宿命となります。
本体の仕様としても、室温が15度以下の場合動作不可、動作環境として15~30度の安定した室温が前提となっている点も、設置場所によってはデメリットになってしまうかもしれません。
銀塩機より処理量が少ない
こればかりは銀塩機に勝てないポイントではあります。
銀塩のフロンティア機LP5000Rの処理量はLサイズで900枚/時、
DE100の処理速度は9秒/1枚≒400枚/秒です。
ただし、DE100は複数台を同時制御してプリントすることも可能なので、
お店に応じてシステムを適切に組めば上記の2倍の処理速度を実現することもできます。
もっとも、そもそもが大量処理を前提としている機種ではないので、やや非現実的な解決策になるでしょう。
DE100はどんな写真館・写真屋におすすめ?
以上、メリットとデメリットを比較してきました。
それを踏まえて、DE100を最大限生かせるお店はどんなところでしょうか?
これから一部商品を内製化したい写真館・カメラマン
ひとつはフロンティア画質を自社商品に取り入れたい写真館さんやカメラマンさんです。
これまでラボ出ししていたプリントを自社で完結できるので、納品のスピードアップとコスト削減が可能です。
DE100は導入コストが(比較的)安価ですので
「過去に、初めてインクジェットミニラボ機の見積を取ってびっくりした」
という経験をお持ちの方でも、十分検討の余地があると思います。
加えて、プリンター本体の設置面積はわずか50cm×50cmなので、バックオフィスの場所を取らないのが嬉しいところです。
ご自宅を事務所にされているフリーランスの方でも、検討いただけるかもしれません。
ビジネスを縮小しつつ継続したいプリントショップ
プリントショップでは、現在の老朽化した銀塩機を買い替えずに、お店を継続したいと考えていらっしゃる方におすすめしたいと思います。
「銀塩機や大型インクジェット機のような数百万円単位の投資は難しいが、もう少しお店を続けたい」
「現在の340Eが調子よく動いているが、万が一に備えてバックアップのプリンターが欲しい」
そういった用途にピッタリではないでしょうか?
特に、数年前にWPSを導入したり、DIコントローラー(windows7仕様)を買い替えた方にとっては、DE100を導入するメリットは間違いなく感じられるはずです。
御見積・サンプル・実機デモ体験のご相談はフォトルプロまで!
いかがでしょう?
ただの小型インクジェット機にとどまらない、DE100の魅力をご理解いただけたと思います。
とはいえ、実際にプリントを体験したり、プリントサンプルをご覧いただけなければ、納得できないところも多くありますよね。
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