大幅進化した高画素機 D850 登場!プロの現場での活かし方をニコンさんに聞いてみました!
今年、創立100周年を迎えたニコン様の新機種、D850が2017年9月8日にいよいよ発売になります。
4575万画素の圧倒的な高画素、D5と同じ最新の画像処理エンジン・AF構造…ニコンユーザー様ならついつい目移りしてしまうようなハイスペックですよね。
それだけに反響もものすごく、発表後すぐに供給不足のアナウンスが出てしまうほど。
http://www.nikon-image.com/products/info/2017/0828.html
弊社でも、すでに多くのフォトグラファー様からお問い合わせをいただいております。
D800シリーズといえば、コンシューマー向けでは「ハイエンド機」ですが、プロの現場を見渡してみると、スタジオはもちろん学校撮影・ブライダルまで幅広くご愛用いただいてる「定番機種」でもあります。
我々も撮影現場のプロのためのサイトを自称するからには特集しないわけにはいきません。
さっそくニコンイメージングジャパン様に乗り込んでお話をうかがってきました!
■目次
- D810から3年、どういう点が変わったのか?
- どんなプロユーザーにオススメ?
- 高画素を最大限に引き出す制振設計
- 倍率0.75倍、レンズの魅力を感じられる快適なファインダー
- 結論:ユーザーの表現を引き出す「今までできなかったことができるカメラ」
D810から3年、どういう点が変わった?
今回質問に応じていただいたのはニコンイメージングジャパンで弊社を担当いただいてるSさんです。弊社のお得意先様のこともよくご存じなので、カタログスペックにとどまらないプロの現場でのお話を色々と伺うことができました。
――さっそくですが、前のモデルからどう変わったんでしょうか?
ニコンSさん(以下、Sさん):一番大きく変わったのは高画素と連写の両立っていうところですね。4575万画素に秒速7コマ、バッテリーグリップをつければ9コマで撮れます
――・・・さすがにやりすぎでは?
Sさん:確かに画素数が多いことによる弊害はあります。
まずミラーショックによるブレが発生しやすくなります。画素数が大きいと連写というのはリスキーになるんです。構造的に連写を実現できても、画素が大きいとブレが起きやすくなるので、写真として成立しなくなってしまいます。
ファイルの容量も大きくなるので転送も遅くなりがちです。
――でもD850では画素数はそういう弊害をクリアしているんですね?
Sさん:機構ブレの面では、裏面照射センサー(※後述)と最新映像エンジンによるISO感度の向上でD810よりもシャッタースピードを稼いでブレを抑えられます。
また、シャッターの制振性を向上する機構も導入されたので、ミラーショックも少なくなっています。
画像容量の面では、最新エンジンのEXPEED5の処理速度とバッファメモリーの向上でカバーしています。
今回、XQDスロットを採用しているので、更に高速の書込みもできます。
――センサーやAF構造はD5やD500に搭載されているものと同等と聞きました。
Sさん:D5、D500に入っているものと同じEXPEED5が搭載されています。AFも153点で、こちらも同じモジュールです。どちらも、色の出方や、合従速度の点でD810より大きく進化していますし、D5、D500ユーザーからも高い評価をいただいているものになります。
ではどんなプロユーザーにお勧めなのか?
――当サイトの利用者はプロフォトグラファーが中心です。D850はどんなプロにおすすめでしょうか?
Sさん:想定しているのは「レポート写真」ではなく、「宣材写真」の分野ですね。ポスターや街頭広告に使用されるコマーシャル撮影のジャンルでは高画素が求められてきます。コマーシャル撮影をやってらっしゃる方にはすぐメリットを感じでいただけます。
あとは、スタジオ撮影でD810を使用されていたかた、特に着物などの細やかな描写にこだわりを持ってらっしゃった方にもぜひ使っていただきたいです。D850は取り回しもよくなってるので、スタジオで動きながら撮られる場合にも向いているはずです。
――学校撮影だといかがでしょう?D500を使っててフルサイズを検討されてる方に対してはいかがですか?
Sさん:学校撮影にはやはりD500が向いていると思います。学校撮影だと本体の軽さやDXフォーマットの画角など、D500の方がメリットがあります。
また、D850とD500は映像エンジンやAFは同じですが、センサーが違うぶん出てくる絵が全然違ってきます。
――確かに重さは150g違います。画素数を活かしてDXクロッピングをして画角を確保する使い方はいかがでしょうか?
Sさん:そういう使い方は有効だと思います。D500の方が連写速度はありますが、学校撮影だとそこまで連写を求められるわけでもないはずです。
そういう意味で、学校撮影とスタジオ撮影、両方を一台で完結させたいカメラマンにはうってつけかもしれません。
――大は小を兼ねる使い方もできる、と。お話を伺ってる限りは商品撮影にも相性が良さそうです。
Sさん:D850は商品撮影向けの新機能も搭載されてます。狭い範囲にAFを合わせられる「ピンポイントAF」
(ノーマルエリアの1/4のポイントで撮影ができるとのこと!)
Sさん:さらに、深度合成素材を自動撮影できる「フォーカスシフト撮影」機能も付きました。
Sさん:カメラ内合成はできませんが、深度を変えた写真を自動撮影できます。
ライブビュー時の「サイレント撮影」と合わせると、機構ブレ無しで高精細且つ全体にピントがあった写真を撮影できます。
高画素を引き出す設計
ここで、改めてD810とのスペックの違いを見てみましょう。
――裏面照射センサーはどういう役割をしているのでしょう?
Sさん:センサー構造が変わったことにより光をより取り込みやすくなっています。
Sさん:画素ピッチが狭くなると高感度の撮影に弱くなりがちなのですが、この裏面照射CMOSセンサーはそこをカバーする技術です。
加えて、EXPEED5のノイズ低減があるので、ISO25600まで対応できるようになりました。
やはり、高画素になればなるほどシャッタースピードを確保しなければならないので、ISOがどこまで上げられるかが重要になります。
裏面照射CMOSセンサーはそれを担保する技術です。
ここで、Sさんにご用意いただいたD810とD850で撮り比べをさせていただきました。
D810もフルサイズであることを鑑みるとショックは少ないものの、それでもボディ内ミラーが動いている感覚があります。
それに対して、D850はシャッターを切ったときの振動が圧倒的に小さいです。ボディに左手を添えるとその違いを明確に感じることができました。
筆者が個人的に良いと思ったのは、右手のグリップ感です。
D810と比較すると、指がグリップのより深いところまで届くため、握り込みやすくなります。D500のグリップに近いものを感じました。ボディ重量の1kgを感じない持ちやすさです。
制振性の高いシャッター機構とホールドしやすいグリップ、D850の高画素を無駄にしないこだわりが随所に感じられます。
倍率0.75倍、レンズの魅力を感じられる快適なファインダー
――D850はファインダーも進化したと聞きました。
Sさん:ファインダー倍率が0.75倍になりました。通常ファインダーを通すとどうしても物は小さく映ります。肉眼を1倍とすると、D850は0.75倍まで保っています。
ファインダー像が大きいので、被写体や構図の確認がより快適になりました。
――フラグシップのD5よりも倍率が高いんですね。
Sさん:そうですね。それと、個人的な主観ですが、レンズの良さを感じていただきやすくなったと思います。
NIKKORレンズの上位機種を使っているフォトグラファー様には、歪みの少なさや解像感といったメリットを体感していただけるように思います。
――高画素の解像感を体感いただけるレンズはどういうものでしょうか
Sさん:解像感の面では、設計が新しいレンズと、単焦点がオススメですね。よくも悪くもレンズの歪みがわかりやすいので、プロユーザーがキットレンズを使用されると不満を感じる場面があるかもしれません。
※ D850レンズはこちらのページにまとまっています
http://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d850/system_lens.html
結論:フォトグラファーの表現を引き出す「今までできなかったことができるカメラ」
――最後に購入を検討されているニコン様ユーザーに一言いただけますか
Sさん:新製品ということで、今までのユーザーの方でも慎重に検討されている方もいると思います。
しかし、これだけの高画素でなおかつ連写もできるカメラなので、今まで無理だと思っていたことができるカメラになっています。
D810ユーザーの方にご検討いただきたいのはもちろんですが、このカメラをきっかけに撮影の幅を広げていただければと思います。
以上、いかがだったでしょうか。
ほかにもFXフォーマットによる4K UHDやチルトシフト液晶、別売バッテリーグリップを使った秒間9コマ撮影など、D850の魅力をたくさん教えていただいたきました。
本当に盛りだくさんだったのですが、今回はその中でもプロユーザーが気になっていそうな点を中心にご紹介させていただきました。
弊社ECサイト、フォトルプロではニコン D850をプロ価格にてご提案させていただいております。
http://728oroshi.jp/product.php?id=14689
ニコン様のこだわりがぎっしり詰まった新型機、ぜひともご検討ください!